Winbiff から Outlook への移行

「Winbiff」画面キャプチャーオレンジソフトが開発した「Winbiff」というメール・ソフトは、Windows 用メール・クライアントの草分けのひとつだが、2009年3月に販売が終わり、2010年3月にサポートも終了した。開発はその数年前に終了している。

メール・アカウントごとの設定ファイル(「.bf2」ファイル)のショートカットをクリックすることで、そのアカウントにログインした上でメールを読んだり送受信したりする仕組みになっているので、1台のパソコンにインストールした Winbiff を複数のユーザーが共用するのに便利。また、初期設定では、メール・サーバーと接続できないと過去に受信したメールを読むことすら出来ないという特徴がある。

そういった、会社で使用するのに都合の良い特徴があるため、サポートが終了してからも私の会社では使い続けていたが、ついに昨年11月、親会社に合わせてメール環境がOffice365に変わることになった。Winbiff では新しいサーバー設定(メール・サーバーを明記しない)に対応できないので、会社のメール・ソフトを Outlook2010/2013 に移行することになったのである。

そこで問題発生。

  • Winbiff は、メール・データのエクスポート形式として、Winbiff形式と mbx 形式しかサポートしていない。
  • 一方、Outlook2010/2013 は、異なるメール・ソフト間での一般的なデータ互換形式である mbx 形式からのインポートをサポートしていない。
  • ネット検索して Outlook2010/2013 は、受信トレイにドロップした eml 形式のメールを1通1通変換できることはわかったものの、まとめて取り込むことは出来ない。

困ってITのサポートをしてもらっている関連会社に相談したところ、Windows Live Mail ならば eml 形式のメール・データをまとめて取り込めて、フォルダごと Outlook にエクスポート出来るという情報をもらえた。また、ネット検索したところ、mbx 形式のファイルを eml 形式に分解するソフトが見つかった。

そこで考えた手順は次の通り。

  1. Winbiff のエクスポート機能を使ってフォルダ単位でメール・データを書き出す(mbx 形式。なお、この操作をすると、対象フォルダからメール・データが無くなってしまうので注意)。
    「Winbiff」でエクスポートを始める
  2. emlXtractor」という無料ソフトで mbx 形式のメール・データを eml 形式に分解。
    「emlXtracter」で変換対象フォルダを指定
  3. Windows Essentials に含まれる Windows Live Mail をインストールし、ダミーのアカウントを作成する。
  4. Windows Live Mail の空フォルダ(無ければ新規作成。「受信トレイ」でも良い)に 2.で作成した eml ファイルをドロップする(自動的に変換が始まる)。
  5. Windows Live Mail のエクスポート機能で、eml ファイルを取り込んだフォルダを「Microsoft Exchange」形式で書き出すと、自動的に Outlook のフォルダができる(ただし、Outlook が起動していない場合は、ログオンが必要になる)。
  6. 1.〜5.を繰り返す。

Winbiff がメール・サーバーに接続できるうちに「オフラインモードを許可する」設定をしておけば、以上の手順でメール・データを Outlook で移行できる。もちろん、オフラインモードが許可されていれば、ログオン・エラーにはなるが、Winbiff のまま、過去メールを参照するという選択も有効。しかし、ユーザーがその設定をし忘れたまま、サーバーが無くなる日を迎えてしまい、過去メールが読めなくなるケースも生じた。

それから1ヶ月。ふと、Winbiff の1通1通のメール・データである「.ext」ファイルを「.eml」に拡張子変換し、Windows Live Mail のフォルダにドロップしたらどうなるのだろう、とダメ元で実験したら、なんと、問題なく変換。ファイルサイズから見て添付ファイル付に違いないメールでも成功。

ということは、ファイルをリネームするオンラインソフトを使って、フォルダ単位で「.ext」ファイルの拡張子を「.eml」に一括変換して、Windows Live Mail のフォルダにドロップすれば良いのだ。

そこでまとめたのが次の手順。

  1. Winbiff のメール・データ用のフォルダのうち、アカウントごとのフォルダを丸ごとコピーする。例えば、元のフォルダが C:\mail\hogehoge ならば、hogehoge2 フォルダを作成。
  2. Windows Essentials に含まれる Windows Live Mail をインストールし、ダミーのアカウントを作成する。
    「Windows Live Mail」画面キャプチャー
  3. リネーム・ソフト FileRenamer2000(或いは類似ソフト)をインストールする(FileRenamer2000 にはインストーラーが付属しないので、適当なフォルダに解凍して FileRen.exe のショートカットを作成)。
    「FileRenamer2000」のショートカットをデスクトップに作成
  4. Filerenamer2000 を起動し、複製したメール・データ・フォルダの振り分けフォルダを「リネーム元」と「リネーム先」に指定してリネーム実行。この時、拡張子を「.eml」にするのを忘れないこと。
    リネーム設定画面
  5. Windows Live Mail の空フォルダ(無ければ新規作成。「受信トレイ」でも良い)に 4.で作成した eml ファイルをドロップする(自動的に変換が始まる)。
    「.eml」ファイルを受信トレイにドラッグ
    「.eml」ファイルを Windows Live Mail にインポート成功!
  6. Windows Live Mail のエクスポート機能で、eml ファイルを取り込んだフォルダを「Microsoft Exchange」形式で書き出すと、自動的に Outlook のフォルダができる(ただし、Outlook が起動していない場合は、ログオンが必要になる)。
    メール・データをエクスポート対象として選択
    Windows Live Mail から Outlook2010 にエクスポートされたフォルダの中身
  7. 3.〜6.を繰り返す。

これでメデタシメデタシ、かと思ったが、よく調べてみると Winbiff のメール・データは「.ext」ファイルだけではないようだ。「.ext」ファイルの数がメールの通数よりも少ないのである。やはりWinbiff で読めるうちにエクスポートするに如くはない。でも、全く読めなくなってしまってからでは、読めないよりもましである。

なお、Winbiff のアドレス帳については、CSVエクスポート機能で書き出して、Outlook からインポートしてやれば良い。もしオフラインモードを許可する設定にしないままサーバーに接続できなくなった場合は、メール・データフォルダの「card.dat」をエディタで開くと次の画像のようになるので、そこそこパソコン・スキルがあれば加工のやり様がある。

「card.dat」をエディタで開くと......

例えば、「: 」(半角コロン+半角スペース)を「,」(半角カンマ)に文字置換して保存し、ファイルの拡張子を「.csv」に変更してやれば、力業だがエクセル上で編集できる。「桐 for Windows Ver.9」を使えるなら、次のような表定義をして「card.dat」を「元データ」項目に読み込み、「元データ」の値が「.」(半角コロン)である行、または「address」を含む行だけを選択してCSV書き出しをすれば良い。

『桐』での「card.dat」の読込表定義
『桐』での「card.dat」の加工(読込例)